メンマについて

メンマの源流とその特徴

 メンマの原料は、亜熱帯性気候に生育する麻筍(マチク)と呼ばれるタケノコです。もともと台湾の麻筍産地である嘉義県や南投県で、1m近く成長したものを収穫してその皮を剥き、そしてタケノコの先端部分と節間の部分にカットした後、それらを蒸して発酵させてから天日乾燥を行ったものを、保存食として利用されておりました。

 この天日乾燥させたものを現地では「筍干(スンガン)」(乾燥させたメンマ)と言い、市場でも流通しており、現地での食べ方は、それを水で戻してから豚肉や他の野菜類と一緒に醤油で煮込むか、または炒め物にするのが通常でした。 

 ところが、台湾の貿易商(弊社前身会社)が、嘉義県特産の筍干を上海、天津、マカオ、香港等へ輸出するようになっていた明治の頃、その貿易商の取扱う丸松ブランドの筍干を中国経由で輸入していた日本の食べ方は、通常と考えられていた料理法ではなく、なぜかラーメンの具材として用いられていました。

 この筍干、乳酸発酵をさせているので独特な香りがするのが特徴です。納豆であれ、味噌であれ発酵食品には夫々特有の香りがありますが、明治期のラーメンにそのメンマを思い切って入れることを最初に考案した先人は、この香りが日本のうどんやそばと全く異なる味と香りの世界を演出していると考えたのかもしれません。また、その食感も柔らかい中にも確りした噛み応えがあるのは独特です。

 弊社の前身会社では、まさか自社製品が中国経由で日本に販売されていて、なおかつ食べ方も変化していた事にかなりな衝撃を受け、その後、日本に対して直接輸出していく事となり、会社も日本に移転(丸松物産㈱が誕生)して、メンマの普及活動に尽力していく事になりました。